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田中流 経絡按摩の基本技術のセミナーを受講して [指圧・按摩・マッサージ]

 先月18日(火)、医道の日本社(メトロ丸の内線 新宿御苑前駅下車)で、“田中流 経絡按摩の基本技術のセミナー”を受講いたしました。受講内容は下記4項目で、“経絡按摩”というタイトルですが、講師の田中勝先生は、按摩の柔捏に指圧も取り入れておられます。浪越基本指圧との大きな相違は、経絡の経穴(ツボ)、特に募穴・兪穴・膀胱経2行線に沿った指圧であることです。
 田中勝先生の手技療法の特徴は、この経絡按摩と指圧に加えて関節運動法を取り入れた治療ということでした。

【内容】 
1.田中流の治療
2.田中流の経絡按摩とは
3.私の指圧と揉捏の特徴
4.響きの起こる指圧
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田中勝先生の治療の特徴は、按摩・指圧は中国古典医学の経絡臓腑説を重視したものです。
胸腹部には12の臓腑があって、それぞれの臓腑が気を発生することによって、胸腹部の募穴(ぼけつ)、背腰部の兪穴(ゆけつ)、顔面の感覚器官、上肢に6経絡、下肢に6経絡に気が巡ることによって人体は生命活動を行っている。
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募穴・・・診断に用いる
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背部兪穴、膀胱経2行線の経穴・・・治療に用いる
ツボ(圧痛点・治療点)を見つけるには、指の腹ではなく指先を用いる。
※ツボは指圧と揉捏の併用で素早く見つけることが出来る。
※ツボとして響かせるときも指先を使う。
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症状を改善するためには一番の硬結を捕らえて、快圧持続圧して響きを発生させることが大切である。
 ・響くということは、経絡に気が巡るということで、気が巡れば血液が巡り、患部は温かくなって症状は改善する。
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募穴と兪穴
※下の表(五要穴)を参考にしてください。
五要穴.jpg
五要穴(陽経・陰経)・・・募穴はこの五要穴のなかの一つです。
※この表は日本指圧専門学校の在学中に試験対策として作成したものです。
陽 経
五要穴(陽経).jpg
陰   経
五要穴(陰経).jpg
関節運動法 : 各症状の治療において関節運動法という整体を行う。関節運動法は本来、仙腸関節を最初に治療するものであるが、局所に行っても大変効果があるので、今回は脊椎椎間関節と局所の関節に関節運動法を行う。
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診断の手順
①主訴部をよく揉み、最も硬結・圧痛の強いツボを見つける
②患部の反応穴から経絡的に判断し、背部に診断按摩を行う
※診断按摩・・・最も硬結・圧痛の強いツボを見つけるため、ややリズムの早い指圧・揉捏などを行うこと
③経絡と墓穴の関係などから、硬結・圧痛または圧迫不快感の出ている募穴を調べる
④募穴の反応から経絡的に判断し、上肢または下肢の最も硬結・圧痛の強いツボを見つける
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治療の手順
①募穴の圧迫不快感を改善するため、上肢または下肢のツボに、母指持続圧や揉捏を加える
②腹臥位または側臥位にて、最も硬結・圧痛が見られた背部兪穴に母指持続圧や揉捏を加える
③最後に、症状のある患部に対して十分に母指持続圧や揉捏を加える
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治療効果の判定
・募穴の圧迫不快感が軽くなっている
・症状部位の痛みなどが改善している
・運動などによる痛みが改善している
などで判断する
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基本的な治療手順のまとめ
1.最も症状(硬結・圧痛)の強い限局された部位(ツボ)を探り出す
2.そのツボを通る経絡と問診などから、原因の一端となる臓腑の弱りを推測する
3.経絡から手足の要穴と背部兪穴(および膀胱経2行線)に「診断按摩」を行い、治療穴となるツボを見つけ出す
4.見つけ出した治療穴の候補に指圧・揉捏を加え、患部の症状及び兪穴に対応する募穴の圧迫不快感の軽減を確認。軽減すれば、治療穴と見なす。
5.治療穴に対し十分に母指持続圧・揉捏を加える。また、症状改善に有用な関節運動を行う
6.簡単な検査なども行い、症状の改善を確認する

田中勝先生のDVDの紹介 : よくある症状への手技治療
よくある症状への手技療法.jpg

募穴とは何か・・・
 募とは、「集まる」、「集結する」の意味である。
募穴とは臓腑の気が胸腹部に結集する経穴を指す。
 五臓六腑の気は体表(胸腹部)に投影する(敏感に反応する)経穴を募穴とするので、必ず自経にあるとは限らない。任脈にあるのは単穴で、十二経脈にあるのは「対」となる。
兪穴とは何か・・・
 五臓六腑の気は体表(背部)に投影する(敏感に反応する)経穴を兪穴とする。兪穴は膀胱経の第1枝に配置している。
◆経絡経穴については、先に当ブログで紹介させて頂いた(まんが経穴入門)を参照ください。さらには、次回のブログで紹介する本“経穴マップ”を参照することをお勧めいたします。

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