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愛犬“ぷりん”との思い出(1/3):偶然の出会い、新しい家族の一員として [愛犬]

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(はじめに)
  “ぷりん”はカナダのトロントで、1993年の夏に私たちの家族の一員となり、1997年の秋に日本に来て、2007年の夏に私たちに永遠の別れを告げて旅立ってしまった。
  私は以前から、“ぷりん”と一緒に暮らした13年余の様々な出来事を備忘録として、私の記憶から消え去らないうちに、何らかの形で書き残しておきたいと思っていた。長い間一緒に私たちと付き合ってもらった“ぷりん”への「ありがとう」の感謝の気持ちを込めて…。
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 愛犬“ぷりん”は、1993年8月に私たち家族の一員となった。トロントのショッピングモールのひとつであるYorkdale mallの中にあるペットショップで、妻と子供が友達である同じ会社の駐在員の奥さんと娘さんに連れて行ってもらった時に、出会ったそうである。何匹もいる子犬の中で、何となく気が惹かれたのが、これから何年も生活を共にするであろう“ぷりん”との偶然の出会いであったのだ。

※ “ぷりん”という名前の由来について: 次女が名付け親で、白と薄茶のまだら模様から、キャラメル色のプリンのイメージと重なったので、“ぷりん”にしようと言ったのが始まりです。オス犬でありながらメス犬のような名前になってしまいましたが、カナダの隣人からも日本の隣人及び道行く人々からも“ぷりん”、“ぷりん”と呼ばれ、愛され続けられました。
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 我が家に来た最初の頃は、お互いに何が何だかわからなくて、コミュニケーションの術が分からないままに、ドタバタの日々が続いていた。我が家での最初の夜は、地下室の一角に囲いを造って、そこへ“ぷりん”を入れておいた。つまり、私たちの寝室と一番離れたところに寝かせようとしたのである。すると、夜中にクンクンと悲しそうな泣き声を立てていた。翌日は、あまりにも可哀想だったので、寝室の下のダンドリー・ルームのフロアーにやはり囲いを造って、その中に入れておくことにした。でも結果は同じで、悲しそうな泣き声と共に、小さいながらも必死になって、その囲いを飛び越えようとしていた。それで仕方なく囲いから出してやると、階段をよちよち昇って、自分たちの寝室の中へ入って来て、安心したかのようにベッドの下で横たわっていた。
 数日後、私がベッドに入ると、必死に自分に向かって吠え続けた。どうして自分に向かって吠え続けるのか、訳が分からず、うるさいので何度も手を振り上げながら、追い払う仕草をした。それでも少しは引き下がるものの、やはり吠え止まなかった。それで、今度は抱き上げてベッドの上にあげてやったら、急に吠え止んで静かになった。その時に感じたのは、やはり人間のそばに居たいのかなあと思った。
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 “ぷりん”とのカナダ生活の中でのエピソードはとても数多くて、一つひとつ取り上げていたら、とてもきりがない。その中でただ一つだけ、このプログに載せるきっかけとなった事件の思い出がある。
 
 “ぷりん”は仔犬の時から、散歩がとても好きだった。その日も休日の朝で、長い散歩の帰りで自宅に向かう途中の信号の無い交差点で、車が通り過ぎるのを待っていた。いつもはGo & Stopの指示を忠実に守るのであったが、この日はどういう訳か左側から車が来ているにもかかわらず、道路の反対側を目指して急に飛び出し、センターライン付近で小型トラックに巻き込まれてしまった。巻き込まれた瞬間、「キャン」という鳴き声だけが聞こえて、後は静かになった。
 その時自分は、これは完全にダメだと感じ、恐る恐る目をセンターラインに目を向けた。車が通り越した後のセンターライン上の“ぷりん”の姿は確かにあった。当たり前のことだが、全く動かなかった。けれども自動車事故に会ったにしては、少し様子が違うように感じられた。その様子は誰にも信じられないと思うが、センターライン上に誰かがそっと置いて、そこで眠っている様な感じだった。
 でも間違いなくダメであることを感じとりながら、両手でそっと抱き上げ、家に向かった。家までの距離は、歩いて5分ぐらいだったと思われるが、“ぷりん”を抱えた手の感触は、幾分温かい感じだった。家の扉を開くなり、妻に「“ぷりん”が車に轢かれてしまったよ!」と叫ぶ様な感じで言ったと思ったが、妻は信じられないという様子で、ただ、ぼう然として無言のままだった。
 そして、両手で抱きかかえていた“ぷりん”をそっとフロアーの上に置こうとした。すると、今まで微動だにしなかった“ぷりん”がスルリと両手から抜けて、家の中を走り回ったではないか。自分でも全く信じられなくて、しばらく呆然として“ぷりん”が走り回るのを、ただ目で追っているだけであった。それから多少落ち着きが出てきて、“ぷりん”を捕まえてから、何処をどんな風に怪我しているか確かめることにした。
 外傷は右目の眉毛の上辺りに長さで2センチほどの浅い傷と、右前足の薬指に当たる爪が取れかかってグラついているだけであった。念のために動物病院に行って、頭部を始め全身CTスキャンで検査してもらったが、全く異常は無いとのことだった。自分はこの時、“ぷりん”は何かの見えざる力によって、奇跡的に助けられて、生かされたのだと確信した。
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 それから、約4年間のカナダ生活をした後、1997年9月19日に生まれ故郷のカナダを後にして、日本へ旅立つことになった。

※「愛犬“ぷりん”との思い出②母国カナダを離れ、異国の日本へ」に続く
プリンと散歩(Newmarket).jpg

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aoniyoshi

ありがとうございました。
by aoniyoshi (2010-06-22 19:37) 

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