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阿修羅像に引き寄せられて 興福寺へ [奈良滞在日記]

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 昨日の朝、阿修羅像の拝観の場所と日時を調べました。すると、偶然にも宿泊しているホテル・サンルートと目と鼻の先の興福寺であることがわかりました。観光客が押し寄せている時節柄、ホテルのスタッフに拝観の可能性について確認したら、「何時間も並んで待つ覚悟があれば…」と、極めて悲観的な答えが返ってきたのです。
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 それで今朝は、ほぼ100%拝観することを諦めて、チェックアウトの11時まで部屋で過ごすことに決めました。まず、朝食をホテルで取る予約をして、食堂に行ったら満員で、20人ぐらい入口付近で待っていたので、待つことを諦めてキャンセルしました。それで、せめてコーヒーだけでも飲みたいと思い、8時半ごろホテルを出て猿沢池の方へ向かって歩き始めました。すると右上前方に興福寺の五重塔が目に入りました。コーヒーを飲むことを忘れて、それに惹かれるように石段を登って、五重塔と興福寺がある場所に向かいました。
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 恐らく今頃は、阿修羅像を観るために人でごった返していることを想像しながら…。五重塔付近では、鹿の群れにえさをやりながら、記念写真を撮っている観光客が大勢集まっていました。私はここを通り抜けて、念のために阿修羅像が展示されている国宝館の方へ行ってみることにしました。すると不思議なことに、入口付近には、一人の博物館員以外は誰もいませんでした。時間は8時40分頃でしたが、その博物館員は「あなたが最初の人です。開館は9時ですが、10分ぐらい早めに開けますよ。」と言われた。
 
 今考えると、ホテルの食堂が満員だったために、朝食を止む無くキャンセルしてしまい、せめてコーヒーだけでも飲みたいと思い、外に出て興福寺の五重塔に向かって歩き出したのは、何となく見えざる力によって“阿修羅像”に引き寄せられたのではないかと思いますが、それは単なる偶然であって考えすぎでしょうか?
 
 9時50分に開館し、チケットを買いました。東金堂の拝観も合わせて800円でした。一つひとつの仏像名を拝観順にiPodtouchのメモに記録しながら歩いたので、約1時間ぐらいかかりました。特に阿修羅像の説明文は、ショップで売られているガイドブックの内容とは異なると、博物館員が話していましたので全て記録しました。
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 興福寺の中における阿修羅像は、多くの仏像が展示されている全体の中の一つに過ぎないわけで、巨大な千手観音などに見とれていると、通り越してしまうような気がしますが、どういうわけか阿修羅像の周りには、人だかりが出来ていました。
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 今、現代人はなぜ“阿修羅像”にこんなに強く魅せられるのか?その理由について考えてみましたが、考えれば考えるほど、それは無駄な努力に思えてきました。それは個々人の心の問題であって、理屈ではないことに気が付いたからです。確かにマスコミの影響もありますが、“阿修羅像”を見つめ説明文を読むと、自然とその理由が分かるような気がいたしました。
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▼興福寺館内の阿修羅像の説明板より転記しました。 
阿修羅像はインド神話に登場する戦闘の神で、最高神インドラ(帝釈天)と争ったが、仏教に帰依してその守護神になった。一般的に激しい怒り顔で3つの顔と6本の腕を持つ姿であるが、興福寺の像には怒りや激しさが見えず、表情は繊細で内向的であり、腕と体が細い少年の姿で表される。その表情には懺悔という仏教で重要な修法が反映されると推定される。顔が小さく八頭身でプロポーションがよく、正面の顔は眉をひそめながらも目的に向かう意思がある。向かって左の顔は唇を噛み、右は自分を見つめているようだ。
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※このブログに掲載している阿修羅像の写真はいずれも興福寺の看板及びガイドブック(もっと知りたい興福寺の仏たち)から撮ったものです。館内での撮影は禁止されています。

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