“ハヤシライス”発祥の地 “丸善”のカフェにて [食の愉しみ]
先週土曜日、池袋から地下鉄丸の内線で大手町まで行き、地下鉄東西線に乗換えて一駅先の日本橋で降りました。地下鉄の改札を出るとそのまま日本橋高島屋と日本橋丸善に続く通路があり、その日は高島屋には行かないで、右側の丸善に行きました。
丸善では“描くことは祈ること 東山魁夷 版画100選展”が第一に目的、次は同じフロアにあるカフェで幕末か明治初年から続くと云われる老舗の味“ハヤシライス”でした。
皆さんは、ハヤシライスをなぜハヤシライスと呼ぶのかご存知ですか?ここ丸善のカフェのメニューに下記のような説明がありました。
ハヤシライスを生み出したのは、
丸善創始者 早矢仕 有的(はやしゆうてき)
と言われています。
丸善の百年史には「幕末か明治初年のころであろう。友人が訪問すると、有的は有り合わせの肉類や野菜類をごった煮にして、飯を添えて饗応するのが常であった。そこから人々はこれをハヤシライスといい、ついにはレストランのメニューにまで書かれるようになったという」一節があります。こういった内容から当時商社を経営していて好奇心旺盛な早矢仕が友人を驚かせようと、今のハヤシライスに近い料理をふるまったと考えられます。
では、なぜ私が丸善のカフェにある“ハヤシライス”を知ることになったのかについて説明したいと思います。それは、埼玉県の武蔵丘陵森林公園(//www.shinrin-koen.go.jp/)の雑木林ボランティアのメンバーで、食通というより多岐に亘る博学をもたれている先輩の紹介によるものでした。
この人曰く「日本橋の丸善に行ったら、本を買う前にカフェでハヤシライスを食べなさい。」と約10年前に教えられたことがあったからです。何年か前に初めてこのハヤシライスを頂いたときは、その人の言葉に納得してしまいました。
さらにこの人は、「丸善のハヤシライスは、上野精養軒のハヤシライスと、肩を並べる味」だとも言われていましたので、上野公園の不忍池の畔にある上野精養軒に行ったこともありました。因みに上野精養軒は、夏目漱石の「三四郎」や森鴎外の「青年」の中にも出ているとのことでした。
このカフェのメニューにある“キリンブラウマイスター”、ビールの味はもちろん良いですが、私はこのグラスのデザインがとても気に入りました。特に、手に持つ部分のカットが何とも云えないデザインと感触が素晴らしかったです。このグラスは、このカフェ特注ではなく麒麟麦酒のオリジナルです。
※「伝統と職人の街 探訪記」にも紹介されていますので、ここをクリックしてください。
※中央通りの丸善前から“日本橋”方面を撮影しました。
※丸善の反対側の日本橋高島屋(重要文化財 Since1933)
え~知らなかったです、ハヤシライスが丸善創始者、早矢仕さんが生みの親であり、その名前からきてたこと。
そう~でしたか。
それにこのハヤシライス、美味しそう!
ご飯の量に比べて、ソースの量がたっぷりで、そのソースが美味しそう。
まさに”老舗の味”って感じがします。
それに私は飲めませんが、このビールもおいしそうですね。
良い一日を過ごされましたね!
by momiji (2011-01-16 15:18)
momijiさん、コメントありがとうございました。
>え~知らなかったです、ハヤシライスが丸善創始者、早矢仕さんが生みの親であり、その名前からきてたこと。
僕は以前ハヤシライスの由来について、ハヤシさんが考えられたことと聞いていましたが、丸善の創始者の早矢仕さんとは知りませんでした。
早矢仕さんは、幕末の文明開化に尽くした、福沢諭吉さんの一番弟子だったそうですよ。福沢諭吉さんの“学問のススメ”と早矢仕有的さんの“丸善”を繋げれば、何となく分かるような気もしますね。
>それにこのハヤシライス、美味しそう!
僕は普通、外食ではカレーは食べてもハヤシライスはまず食べることはありませんが、丸善と上野精養軒のハヤシライスは特別な存在です。
>それに私は飲めませんが、このビールもおいしそうですね。
昨日の消費生活アドバイザーの勉強会で、麒麟麦酒の人と話しをした時、ブラウマイスターは取り扱うレストランや販売店を選別しているとのことでした。やはりどんなに品質の良いビールでも、物流や保管状態で味が損なわれないように気を使っているのでしょうね。
by aoniyoshi (2011-01-16 21:25)