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白州正子 生誕100年特別展〈神と仏、自然への祈り〉~世田谷美術館~を観て [尊敬する人]

 4月3日(日)朝8時、NHK教育テレビで日曜美術館「白州正子 日本美へ誘う眼」を放送していました。今まで白州正子さんに関する番組は、いくつかDVDに録画し保存していました。特に2007年1月に録画したハイビジョン放送「白州正子が愛した日本」「白州正子が愛した日本人 美の旅人・西行と明恵」は、時折紐解いて観ています。
 このTV番組の日曜美術館はわずか45分間の放送ですが、白州正子さんに関することが幅広く凝縮されていました。特に十一面観音に深く興味を抱かれていたこと、滋賀県を中心とした近畿地方の「かくれ里」を尋ねる旅の中で、白州正子さんの中で一番美しい絵画とされる大阪府河内長野市の金剛時にある「日月山水図屏風」の紹介に心を惹かれました。
 番組の最後で、これらの作品が世田谷美術館で、白州正子 生誕100年特別展〈神と仏、自然への祈り〉が開催されていることを知り、居ても立っても居られない気持ちになりました。
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 翌日の月曜日は閉館なので、火曜日に行くことに決め、ルートや場所を下調べしました。西武新宿線で所沢駅から直通の池袋線経由副都心線で渋谷まで行き、東急田園都市線に乗り換えて、用賀駅で下車し、公園のように曲がりくねった緑の多い、石やレンガで敷き詰められた歩道の用賀プロムナードを、15分ほど歩いたところに砧(きぬた)公園があり、その中に世田谷美術館はありました。
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※十一面観音立像(滋賀県 向源寺)
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※日月山水図屏風 右双(大阪府 金剛寺)
 世田谷美術館における「白州正子展」は3月19日から5月8日まで開催されていますが、この日月山水図屏風は4月10日までの限定展示で、11日以降は大阪府の金剛寺へ返されることになっていました。今回私が一番観たかった作品の一つをこの日に見ることが出来て、本当に運が良かったと思っています。所蔵元の大阪府の金剛寺でさえも5月5日と11月3日の2日間しか公開されていないからです。これは重要文化財で室町時代(16世紀)の作品です。
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※日月山水図屏風 左双(大阪府 金剛寺)
 白州正子さんは人生の後半を旅に生きられた人ですが、前半は女性では非常に稀な「能」に生きられました。また骨董の専門家でもあり、女性でありながら男性的な面が強く表れているようです。
 
 旅に生きる白州正子さんが「白州正子自伝」で述べられている印象的な言葉を、今回のTV番組や世田谷美術館でも紹介されていました。
 *
◆日本中がオリンピックで沸いているのを尻目に旅に出るのが良い気持ちだった。近江の山の上から黄金色の稲田の中を新幹線が颯爽と走り過ぎるのを見て、『お前さんはすぐ古くなるだろうが、こっちは数千年を生きた巡礼をしているんだ、ざま~見ろ!』と言いたい気分であった。
 
 この日曜美術館の番組の主題は作品の紹介とともに、「正子が旅で探していたもの、それは変わりゆく日本が、変わらずにあり続ける日本人の心の風景でした。」とのナレーションがとても心に残りました。

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