万城目 学「鹿男あをによし」を読んで [読書]
万城目学「鹿男あをによし」を一気に読んでしまいました。一気と云っても一般人に比べれば極めて遅読な私ですが、極上の生ビールがスーとのどを通って胃に到達する感覚で読み終わりました。
舞台は古都奈良ですが、1800年前の卑弥呼の時代に遡り現代に至るまでのファンタジー小説です。今まで奈良には何度も足を運んでいるので、この本を読んでいる間、日常から非日常へシフトした時間と空間の中にいるような感覚でありながら、それが非現実的な世界と現実的な世界を行き来しているような感じでもありました。後半部分の剣道の試合の場面は、実際に映像を見ているようなリアルな記述で、ハラハラドキドキさせられました。
読み始めてすぐに気が付いたのですが、何となく夏目漱石の「坊ちゃん」を彷彿させるストーリーと登場人物を感じました。この文庫本の巻末に故・児玉清さんの素晴らしい解説が載っていましたが、彼も全く同じことを書いていました。
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